観音堂内におかれた厨子です。
なかに本尊の十一面観音像を安置していて、造られた年代はあきらかではないが、室町時代に入ってからの製作とみられています。
かなり大型の厨子で正面側面ともに一間で正面を扉とし組物は禅宗様の三手先で詰組といって、柱の間にも柱の上と同じような組物がおいてあります。軒は真(しん)反(ぞり)と云って中央から両端に反って居る垂木は二重の扇(おうぎ)重垂木(しげたるき)で礎盤円柱ちまきつきで、屋根は入母屋造り、瓦形にした板でふき、大棟両端に鯱をあげています。
厨子をおく須弥檀も禅宗様のもので、いく段にも繰り形を重ねていて壇上には禅宗様式の通し高欄をそなえています。この須弥檀も重要文化財の指定をうけています。
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