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六百八十年前の壁画

六百八十年前の壁画(大法寺三重塔横 青木村郷土美術館にて展示)

大法寺三重塔の天井に、創建時代の絵が残っていますが、文化庁の調査で壁面にも描かれていたことが わかり、文化庁の依頼を受けて平山郁夫氏に師事し、古建築壁画等復元の第一人者、馬場良治氏の手によ って復元模写されました。馬場氏が二週間塔内に入って図取りをし、その後ほぼ二年間かけて彩色が施さ れ、実寸大の復元図が平成16年完成しました。この塔を造るため大勢の大巧は番匠だけでなく大勢の職 種の人たち、それも熟練工ともいうべき人たちを、東山道をたどって連れてきたのに相違ありません。 その中には優れた腕をもつ絵師も含まれていたのでしょう。

山間の地にみごとな都ぶりの洗練された塔が建ち、精密であざやかな彩りの壁画が描かれたのです。

長押下端には葉のある唐草を背景に、鳥を同じ間隔に配置し、朱・紫のぼかしのある花と白い花が描かれていますが、このように花・葉・鳥を絵画的にとりいれた図柄があるのは、日本ではこの大法寺三重塔と、広島県明王院五重塔・滋賀県西明寺三重塔の三つの塔だけです。

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